予防こそが腰痛を克服する最良の方法

2021年2月15日

　私たち人間は、椎骨が32個から35個あって、この椎骨のあいだには、椎間板という水分を比較的多量に含んだ軟骨などがあり、これらを強力な靭帯が包んで保護している。また、椎骨には柱になる役目と関節の役割をする部分があり、その中央には縦に大きな腔があって、ここに脊髄神経が通っている。　脊椎は、上から頚椎(7個)、胸椎(12個)、腰椎(5個)、仙椎(5個)、尾骨(3から6個)の組み合わせで成り立っており、それらの働きを区別するために、第4頚椎、第2腰椎というように番号で表されている。この背骨は、横から見ると、Ｓ字のような形になっている。この不安定な背骨を背筋や腹筋が保護しているが、残念なことにＳ字であるために、地球の重力を背骨全体で均等に受け止めることができず、頚椎下部、上部胸椎、第5腰椎などが余分な重圧を受けて、歪みや捩れなどを引き起こすことになる。腰痛ゆ座骨神経痛などは、この第5腰椎などが歪むことによって痛みが発生する。とにかく私たちの背骨は、予想以上にデリケートにできており、ほんのちょっとした歪みや捩れが生じても狂ってしまいます。さらに困ったことは、直立したことによって骨盤の位置までが不自然なかっこうになってしまったのです。30度の角度で前方傾斜してしまった骨盤の上に、さらに不安定な背骨をのせるという芸当を強いられます。これによって、腰椎の部分は、体重の60%を不安定な組織で支えなければならないという、とんでもない負荷をかけられることになります。不自然で不安定なうえに、さらに相当の負担を強いられた腰椎が歪まない保証など、どこにもありません。私たち人類の8割が腰痛を体験するというデータも、これらの事情を知れば、あながちオーバーな話しではありません。そうでなくとも、不自然な骨盤の上に不安定な背骨がのったのであるから、私たち人間は、もう身体の歪みから逃げだすことなどできるわけがありません。

身体が歪むのは当たり前・・・・。と考えておくことが正しい。たとえスポーツをやって身体を鍛えたとしても、背骨の不安定さや骨盤の位置を是正できるものではありません！それどころか、スポーツ選手には腰痛で悩んでいる人が実に多いです。これは、発想を変えてみる必要があるかもしれません。ただ単に身体を鍛えるよりも、身体をいつも調整して、ベストコンディションに保っておくことのほうが大切です。結論から言えば、予防こそが腰痛を克服する最良の方法であるといえます。